東京 中野区 社会保険労務士/
社会保険労務士法人ヒューマン・アセット

ABE NEWS & TOPICS NO.179 2012/6

金環日食、東京スカイツリーの営業開始等、話題の多かった5月もあっという間に過ぎ水無月(6月)である。私共にとりましては、向う約3ヶ月間が一年で一番忙しい時期になります。労働保険の年度更新(労働保険料の申告・納付)、次に社会保険の算定基礎届と一連の関連業務が続きます。労働保険の年度更新にあたりましては、労働保険料の申告書をまず回収しなければなりません。お手元に労働局からの保険料申告書が届いているかと思いますが、届いておりましたら当事務所までご一報をお願いします。当方へ送付していただいても、押印漏れ等があってはなにもなりません。送付前に一度ご一報をお願い致します。

東京地裁で係争中だった日本航空を整理解雇されたパイロット等が解雇無効を訴えていたが、3月29日と30日に判決が言い渡され労働者側の請求をいづれも棄却するという内容のものでした。ここで注目したいのは、会社側がかなりの営業利益を出しているにもかかわらず、会社側の主張が全面的に認められたということである。整理解雇にはいわゆる4要件 ①必要性 ②回避努力 ③合理性 ④手続きの妥当性 が求められ、これらの要件を満たさないと解雇無効の決定が出されることが多かったが、裁判所も事業の継続を重視する方向に改まっていくのではと、個人的には考えています。

労働条件は文書にて明示しなければならないことになっておりますが(労働法第15条 施行規則第5条)、この条件の明示の仕方が不充分だったりすると、労働問題を引起すことがよくあります。会社は何を労働として労働者に求めるのかを明示し、その債務を果せなかった場合は労働契約が打切ることもあり得る。逆に、明示された労働条件を会社側が果たせなかった場合は、即時に労働者から打切られることにもなるということ。明示の仕方が徹底していれば、労使トラブルはかなりの割合で回避できます。
複数の会社から給与を受けている人もいらっしゃるかと思いますが、社会保険の場合は法律でその取扱いが定められております。厚生年金保険第24条には、複数の事業所から報酬を受け取っている場合は「合算」してその者の報酬額とするとあります。給与を分散しても社会保険料は安くはなりません。

例年より気温が低い日が続いております。体調管理にはくれぐれもお気をつけ下さい。

塩川敦

経済学者の野口悠紀夫が提唱した「1940年体制」という説があります。戦争に備えて1940年前後に出来上がった戦時経済体制が、戦後も継続して日本の高度成長を支えた、という説です。日本的経営や銀行の護送船団方式、社会保障制度もその一部です。しかし、この1940年体制も、1990年前後、バブル崩壊などで崩れ始め、もしくは制度疲労に陥り、その後20年間、どの分野でも迷走が続いています。企業の労務管理面でも同様なことが言え、労働法制は社会の変化に対応しきれていない部分があり、賃金制度も普遍性のある方向性が見出せていません。税と社会保障の一体改革も気になるところですが、身近な所でも社労士として頑張らなければならない分野は多くあります。

伊藤修

いよいよ梅雨の時期となりました。昨年は早くに明けましたが、今年はどうでしょうか。さて、労働保険の申告も届出し、皆様への納付書送付をするところまで参りました。この後は社会保険の算定基礎届の提出となりますので、社会保険加入の事業所様には4月~6月の各月に支給された賃金台帳ならびに申告書の押印をお願いすることになりますので、準備よろしくお願い致します。

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